かつて札幌の夜を華やかに彩った伝説のクラブ「キングムー」。その歩みを辿ります。
札幌のナイトライフを語るうえで欠かすことのできない存在それがキングムーです。
巨人の顔を模した奇抜な外観、そのインパクトは街行く人々の目を引きました。
そして、豪華絢爛な内装と圧倒的なスケールで登場したキングムーは、札幌のクラブシーンに革命をもたらしました。その存在は、単なるナイトスポットにとどまらず、まさにバブル経済の象徴でありました。
笑い声、音楽、出会いと別れ、そこには確かに多くの人々の「時代」が刻まれていたのです。
煌びやかな照明、音と光に包まれたあの空間で、多くの人々が青春を過ごし、忘れられない時間を重ねてきました。
キングムーの扉をくぐると、まるで異国の神殿に迷い込んだような、不思議な世界が広がります。
日常を離れた幻想的な空間が、人々の心を解き放ち、楽しさを何倍にも膨らませていたのでしょう。
1階メインホール DJブース
2階 ドリンクカウンター
キングムーならではのこだわりに満ちた装飾の数々は、訪れる人々のワクワク感を一層引き立てていました。
手すりや柵にあしらわれた蛇のモチーフなど、細部にまで工夫を凝らして設計・建設された痕跡が随所に見られます。まるでメキシコの古代遺跡に迷い込んだかのような感覚に包まれます。
「ムー大陸」を連想させることから、そこをモチーフにしたと思われますが、実際の内装デザインはマヤ文明やアステカ文明の遺跡に着想を得たもの。そもそもムー大陸は都市伝説であり、実在しない架空の存在です。
そうした遊び心と非日常感が、この空間の独自性を際立たせ、多くのファンを惹きつけました。
実は、二階裏手からしか辿り着けないVIPルームを完備。重厚な扉の先には、限られた者しか立ち入ることのできない別世界が広がっており、国内外の著名人や有名アーティストがきていたとか。
施工場所:札幌市中央区南7条西4丁目
施工期間:2023年10月〜2024年3月
発注者:株式会社日本エスコン
構造:RC造地上3階建
解体建物:キングム―解体撤去工事
このたび、キングムーの解体工事を弊社でお引き受けすることとなりました。
学生時代にこの場所でアルバイトスタッフとして働いていたこともあり、私にとっても非常に思い出深い現場です。
あの煌びやかな空間での賑わいと活気は、今も鮮明に心に残っています。
年月を経て、施工者としてこの建物と再び向き合うことになったことに深いご縁を感じています。
ここで過ごした多くの方々の記憶に敬意を込めて、最後のひとときを丁寧に見届けさせていただきました。
この建物が人々の記憶の中でこれからも色褪せることなく残り続けることを心より願うとともに、
多くの人々に愛され、思い出を刻んできた皆さまに代わって、この場所に心からの「ありがとう」を伝えたいと思います。
株式会社ビケンワーク 代表取締役専務 小和田 力
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